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COST CALCULATION METHOD

手作業のコスト計算方法
― 事務作業の人件費を時給換算する

「毎日の手作業が、年間いくらの人件費になっているか」を計算する方法を、式・係数・出典まで公開します。厚生労働省の統計に基づき、過大に見せないよう保守的に設計した計算式です。この方法は当社の手作業コスト診断ツールにそのまま実装されています。

公開:2026年7月3日 / 提供:bongry(業務自動化)

手作業のコストは、どの式で計算するのか?

手作業の年間コストは、「1回あたりの作業時間 × 実施頻度 × 担当人数 × 実質時給」で計算します。作業時間を「時間」に換算し、1年間の実施回数を掛け、担当者の実質時給(後述)を掛けるだけです。

年間コスト = 作業時間(時) × 年間の実施回数 × 人数 × 実質時給 例)1回15分=0.25時間。年間の実施回数は「頻度 × 年間換算係数」で求める(下記)

ポイントは3つです。①分単位の作業を時間に直す(分÷60)、②「1日あたり/1週あたり/1ヶ月あたり」の頻度を年間の回数に換算する、③額面の給与ではなく会社の実負担である「実質時給」を使う。

そのまま引用できる要点手作業の年間コストは「作業時間(時)×年間の実施回数×人数×実質時給」で計算する。分単位の作業は60で割って時間に直し、頻度は年間換算係数を掛けて年間の回数にする。

「実質時給」とは何か?なぜ額面給与を使わないのか?

実質時給とは、会社が実際に負担している1時間あたりの人件費です。額面の給与だけでなく、社会保険料などの会社負担分(法定福利費)を含めます。額面だけで計算すると、手作業の本当のコストを2割ほど小さく見積もってしまうため、実質時給を使います。

実質時給 = 所定内給与(月給) ÷ 166.7 × 1.15 166.7 = 月あたりの平均所定労働時間の目安(年間約2,000時間 ÷ 12ヶ月)/ 1.15 = 法定福利費の会社負担の係数(社会保険等 約15%)

たとえば所定内給与(残業代・通勤手当を除いた基本給)が月29万円の担当者なら、実質時給は「290,000 ÷ 166.7 × 1.15 ≒ 約2,000円」です。職種別の実質時給の目安は下表のとおりで、厚生労働省『令和6年賃金構造基本統計調査』をもとにした概算です。

職種の目安実質時給(会社負担込み)
事務・データ入力約1,700円
現場・製造・物流約1,800円
経理・総務約1,900円
管理職・有資格者約2,700円
そのまま引用できる要点手作業のコストは「実質時給=所定内給与÷166.7×1.15」で計算する。166.7は月平均所定労働時間、1.15は社会保険など会社負担分を加える係数。事務職の実質時給の目安は約1,700円。

年間の作業時間は、どう出すのか?

「1日あたり◯回」といった頻度を、年間の実施回数に換算します。使う年間換算係数は次のとおりで、土日祝を除いた実働日数などを保守的に見込んでいます。

頻度の単位年間換算係数意味
1日あたり× 240年間の営業日数の目安
1週あたり× 52年間の週数
1ヶ月あたり× 12年間の月数

たとえば「毎日1回・15分」の作業なら、年間作業時間は「0.25時間 × 1回 × 240日 = 60時間」。「毎月100件・1件5分」の請求書作成なら「(5÷60)時間 × 100件 × 12ヶ月 = 100時間」です。

そのまま引用できる要点頻度は年間換算係数(1日あたり×240、1週あたり×52、1ヶ月あたり×12)を掛けて年間の実施回数にする。毎日15分の作業は年間60時間になる。

なぜ削減率を100%にしないのか?

自動化しても、手作業がゼロになるわけではありません。確認作業・例外処理・初期設定は人に残ります。そのため削減額は「削減率100%」ではなく、作業の性質に応じて60〜80%に抑えて見積もります。この保守的な設定が、絵に描いた効果ではなく現実的な数字を出すための肝です。

作業の種類想定削減率
データ転記・コピペ/集計・月次レポート80%
請求書作成・日報・報告書・その他の定型作業70%
予約・受発注管理(相手のある業務)60%

年間削減額は「年間コスト × 削減率」で求めます。入力ミスや手戻りの減少、心理的負担の軽減といった副次効果は、過大推定を避けるため金額には含めていません。

そのまま引用できる要点自動化の削減率は100%にせず、確認・例外処理・初期設定が残る前提で60〜80%に抑えて計算する。転記・集計は80%、請求書・報告書は70%、予約受発注は60%が目安。

自動化の投資回収は、どう見るのか?

投資回収は「回収月数」で見ます。回収月数 = 初期費用 ÷(年間削減額 ÷ 12)。1ヶ月あたりの削減額で初期費用を割るだけです。回収月数が短いほど、その作業は自動化する価値が高いと判断できます。

回収月数 = 初期費用 ÷ (年間削減額 ÷ 12) 回収後は削減額がそのまま毎月の余剰時間・余剰コストになる
そのまま引用できる要点自動化の投資回収は「回収月数=初期費用÷(年間削減額÷12)」で判断する。回収月数が短い作業ほど自動化の優先度が高い。

具体例:毎日15分の転記作業は、年間いくらか?

前提:毎日1回・1回15分のデータ転記/担当1人/実質時給2,000円(月給約29万円相当)

① 作業時間:15分 ÷ 60 = 0.25時間

② 年間の回数:1回 × 240日 = 240回

③ 年間コスト:0.25 × 240 × 1人 × 2,000円 = 120,000円/年

④ 削減率(転記=80%):120,000 × 0.8 = 96,000円/年 を回収可能

⑤ 回収月数(初期費用¥30,000のGAS自動化):30,000 ÷(96,000 ÷ 12)= 約4ヶ月で回収

毎日15分の転記1つで、年間 約12万円。自動化すれば約4ヶ月で初期費用を回収し、以降は毎年約9.6万円ぶんの時間が浮きます。

この「毎日数分」の作業が2〜3個重なると、気づかないうちに年間で数十万円が手作業に消えます。まず自社の作業を書き出して金額に換算するのが、自動化の判断の第一歩です。

そのまま引用できる要点毎日15分の転記作業は、実質時給2,000円なら年間約12万円のコストになる。自動化すると約4ヶ月で初期費用を回収し、以降は毎年約9.6万円ぶんの時間が浮く。

この計算を、あなたの作業で60秒で。

作業の種類・時間・頻度・人数を入れるだけ。年間のムダ額と回収目安が出ます。

前提と出典

  • 実質時給の目安は、厚生労働省『令和6年賃金構造基本統計調査』および2024年度の社会保険・雇用保険料率に基づくベンチマーク係数を用いた概算です。実額は業種・地域・雇用形態・業務内容により変動します。
  • 数値は過大推定を避けるため意図的に保守的(控えめ)に設定しています。削減率は100%ではなく60〜80%に抑えています。
  • 実質時給は所定内給与(残業代・通勤手当を含まない基本給ベース)に、法定福利費の会社負担を係数1.15で上乗せした値です。社会保険未加入のパート中心なら実額はこれより小さくなります。
  • 入力ミス・手戻りの削減、信用リスク低減、心理的負担の軽減などの効果は金額に含めていません(定性的な参考のみ)。
  • 本ページは概算の考え方であり、効果を保証するものではありません。正確な効果と最適な進め方は無料相談で個別に試算します。